当たり前だけど、ビジネスで物事を動かすのはいつだって「お金」だ。と改めて思ったので駄文を書く。
ビジネスをしている以上は売上=お金が大事なので、だいたいの施策は「売上を伸ばす」(トップラインを上げる)か「コストカットをする」(人件費や固定費を減らす)の二軸になると思っている。
- 顧客向けの機能開発は、売上を伸ばすため(営業力強化・チャーン回避)
- 社内向けの機能開発は、効率化による人件費削減=コストカットをするため
- インフラコストの削減は固定費削減=コストカット
- ツールやサービスの見直しは固定費削減=コストカット
- 技術的負債の解消は開発生産性向上により、間接的に売上を伸ばしたり人件費のコストカットをするため
といった感じ。
なのでわかりやすく売上やコストカットに結びつく施策は通りやすく評価もされやすい。既存・潜在顧客からのリクエストが高い機能は優先されるし、固定費が確実に削減されるインフラやサービスの見直しも案件化されやすい。
一方で、R&D、PoC、大規模な技術基盤改善の案件などは、プロジェクト化ができなかったり、途中で打ち切りになるケースもそれなりに見たことがある。これも一種の「お金」が物事を動かしたケースで、直接的な売上貢献・コストカットの効果やその期限が見えづらい、というのが原因ではないかと思っている。
という感じで、何か課題を感じたときに、その課題解決をするためにはどうやればお金と結びつけれるのか、というのを考えるとよいのかもしれない。開発生産性であれば具体的な指標が提示できると良いし、施策開発のついでに技術的負債の解消をするというのも「お金」に結びつけた戦略的なやりかたである。
とはいえ、技術的負債の解消は「お金」と結びつけるにはかなり難しく、計測の前提を揃えることがほとんど不可能なので定量的な効果を伝えづらい。例えば、リプレースの案件ではリプレース以外をやろうとしたり、適切に「作らない選択」をしないと工期が延びて疲弊するため、一般的にはアンチパターンだと思っている。しかしながら「お金」と結びつけるには、リプレース以外の付加価値をエンドユーザにわかりやすい形で提供しないとプロジェクトの効果を伝えづらいため、リプレース以外のことをやるのも戦略としては大事だったりする。
ということで、こういった定量化や可視化、といったことも意識していろんな引き出しを持っておくとより技術力を活かせるのではないのかなぁと思ったり。